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実話の怖い話「トンネルで消えた男」5分の短編の怖い話

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実話の怖い話「トンネルに消えた男」 実話の怖い話
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実話の怖い話「トンネルで消えた男」

実話の怖い話だ!20年前に友人がおかしくなってしまった死霊トンネル。中年になった男がもう一度トンネルの前に立った。男はこのトンネルの中で何をするつもりなのか?5分でさっくり読める短編の怖い話。

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実話の怖い話「トンネルで消えた男」

もうかれこれ20年以上も前の話です。僕は大学に通う20歳でした。

バイト以外の時間は大学の同級生で仲の良かった。A、B、Cといつも一緒にいました。

全員が彼女がいない上に勉学にも興味がない呑気な大学生だったのです。大学三年の夏の日でした。

「肝試しにでも行くか」

突然Bがそんなことを言い出しました。どうやら前日にテレビ番組で報道された心霊番組に感化されたようでした。

「肝試しってどこ行くんだよ」

Bは少し考えてから県境にある心霊すぽっとして名高いトンネルの名前を出しました。

「親の車借りていくからさ」

こうして僕たちは心霊スポットのトンネルに向かったのです。

古いトンネルは薄暗く手気持ち悪い

トンネルに付いたのは深夜の1時くらいでした。

明治時代に作られたトンネルは薄暗くて、コケが一杯で気持ち悪かったのを覚えています。
山道に街灯はありません。

ヘットライトに照らし出されたトンネルの入り口は別の空間へと誘う大きな罠のようでもありました。

「じゃあ行くぞ」

言い出しっぺのBを先頭に僕たちはトンネルに入りました。

懐中電灯を持っていたのはBだけでした。

それもひどく心もとないぼんやりとした灯りでした。

その小さな光を頼りに僕たちはトンネルの中を進んだのです。

オレンジの光に照らし出された丸い部分だけが闇の中から切り取られたようで、逆に光の届かない暗い部分に何かが潜んでいそうな、怖い妄想を引き起こさせました。

「トンネルの中は染みだらけだな」

Aがいいました。

「そうだな。それに水たまりがいつぱいあるよ」

Bがいいました。

「ここから急にトンネルの壁が赤煉瓦になってる」

Cがいいました。

「最悪に気持ち悪いな」

僕がいいました。

「うわっ」

その時です。急にCが叫び声を上げて立ち止まりました。

何かがシャツの中に入った・・・

「何か今上から落ちてきた。シャツの中に入った」

Cは気持ち悪そうに天井を睨みます。

懐中電灯を向けると天井には水滴が丸くなってひっついています。

耳を澄ませば「ぴちゃん」と水滴が落ちて弾ける音がします。

「水滴じやないか?」

僕がそういうとCは首を振りました。

「人の手みたいだった。その手がシャツの中に入ってきたみたいな感じ」

僕たちはCがみんなを怖がらせようとして悪ふざけをしているのだと思いました。

だから笑ってその場を過ごしてしまいました。

それからしばらく歩いて行くとトンネルの反対側の出口に出ました。

「トンネルの出口に祠があってお地蔵さんが立ってるらしいぞ」

どこで聞いてきたのかBがいいました。

トンネルの出口から両端の山に向かって懐中電灯の光を差し向けます。

すると小さな祠があり2体のお地蔵さんが手を合わせていました。

「おまいりしてくか」

僕が何となくそう言ったのは暗闇の中で古いお地蔵さんがとっても気味が悪く見えたからにすぎません。

僕とAとBがお地蔵さんの前で頭を下げました。

「オレはやらない」

Cはなぜかお地蔵さんに近づくのを頑なに拒否しました。

車へ向かう帰り道は幾分か楽な気分でした。同じ道を帰るだけだからです。

ところが、Cだけはやけにみんなに遅れて歩いてきます。

「C早く来いよ」

そういって待ってていても直ぐに送れてしまいます。

途中からはCのことを気にすることなく車まで帰ってきました。

ところが一向にCが帰ってきません。

五分経ち、10分たつと心配になってきます。

僕たちは3人でトンネルの中に戻りました。

トンネルの中は一本道です。どこにも横穴はありません。

トンネルで消えるってどういうことだ・・・

Cを探してトンネルを進むとCにあわないまま反対側の出口に出てしまいました。

3人で顔を見合わせました。

「何でCはいないんだ?」

僕たちの間を心霊現象のような不確実の物ではなく、確固たる不安が一瞬にした通り過ぎました。

「おいC!いたら返事しろ!」

僕たちは大声を出しながら急いでトンネルを引き返しました。

幾重にも反響してトンネル内にCを呼ぶ声が木霊しました。

「ひょっとして倒れてるかも。足元をしっかり照らして」

ところが僕たちはC似合うことなくトンネルを出てしまいました。

直ぐそこに車が止まっています。

車まで行くと不意に車の陰の茂みのなかからCが飛び出してきました。

「うわっ!何やってんだお前」

びっくりして僕たちは固まってしまいました。

「何でもない」

Cは悪びれる様子もなく車に乗り込もうとします。

「待てよ。お前いなくなったから俺たち捜してたんだぞ」

Aが車に乗り込もうとするCの肩を抑えた。

「だからなんだ」

ゆっくりと振り返ったCの顔が懐中電灯に照らされました。

その顔からは表情が抜け落ちたようで目と鼻と口がある能面のようでした。

CはAの手を振り払うとそのまま車の後部座席に滑り込みました。

Cの雰囲気は怒っているのか何なのかとにかく嫌な感じで車の中は終始無言でした。

翌日大学に行くとAと合いました。

「昨日のCは途中からはなんか変だったよな」

「そうだよ、何か蒼白い顔してブスッとしやがってさぁ」

僕たちはその日にBと会うことはありませんでした。

翌日も、その翌日もBとは合いませんでした。

どうやら大学に来ていないようです。

心配になった僕たちはBの家に行きました。

するとお袋さんからこう言われたのです。

「最近ね、何かあの子は変なのよ。一日中ぶつぶつ言ってるし夜中は寝ないしごはんも食べないの。意味の分からない奇声を上げて家の中を走り回るしもう大変なのよ」

僕たちは顔を見合わせました。

僕の頭の中に心霊スポットのトンネルというキーワードが浮かんでいました。他の2人も同じようでした。

僕たちはすべてをお袋さんに話しました。心霊スポットといわれるトンネルで肝試しをしたこと。

途中からCの、様子がおかしくなったこと。

するとお袋さんの顔がわなわなとふるえだしました。

「あ、あんた達のせいなのね」

お袋さんの目がつり上がり怒りに狂った般若のようになっていきます。

「Cを返して!早くCを返して!あなた達が心霊スポットに肝試しに行こうなんて誘わなければあの子はこんな目に遭わなかったのに。どうしてくれるのよ」

お袋さんはテーブルの上にあったお茶を掴むと僕たちそれぞれの顔に浴びせかけました。

それでも足りぬとばかりにテーブルをばんばん叩きクッションを投げつけ泣き出してしまいました。

「Cに何かあったら殺してやるからな!お前たち全員参加殺すからな!出てけ出てけ2度と来るな」

僕たちはほうほうの体でCの家を飛び出しました。

その日の晩にCの父親に電話で呼び出されました。

僕たちは昼間のお袋さんの様子を思い出し気乗りはしなかったのですが、指定されたファミレスに向かいました。

父親は落ち着いて話を聞き最後にこんなことをいいました。

「お寺さんで除霊をしてもらうよ」

その日を境にCともCの家族とも僕たちは会っていません。

噂ではどこかの新興宗教に家族そろって入信して教団の施設で共同生活を送っているらしいです。

トンネルの前に立つ男

僕は20年以上の時を経てあのトンネルの前に立っています。

大学を卒業して福祉関係という名ばかりの仕事をしています。

今日はたこのトンネルの近くで独り暮らしをする老人のお宅にセールスに来ています。

馬鹿みたいに高い給湯器を売りつけるために。

半分は詐欺のような商売。

トンネルは20年の時間がたっても相変わらずそこにありました。

苔むした石造りのアーチ。湿った空気。昼間でも奥までは見渡すことが出来ない暗い空間。

「あのトンネルは工事の成功を祈って生きた人間を人柱として埋めたんだ。近づかないほうがええよ」

一人暮らしのおばあさんはそういいいました。

だけど僕は20年間ずっと気になっていことがあるんです。

「シャツの中に入られた気がする」

確かCはそういいました。

「誰に何を入られたんだろう」

僕は本当のCが今でもトンネルの中で助けを待っているような気がしました。

トンネルの中に足を踏み入れます。すると革靴がコツンと足をとを響かせます。

呼応するようにトンネルの中から湿った空気が風になって顔に吹き付けてきました。

ぴちゃん、ぴちゃん、20年前と同じように水滴の落ちる音がします。

僕はずるずるとロープを引きずりながらトンネルを歩きました。

「Cやい、どこにいるんだ?俺もそっちへ連れてってくれよ」

怖い話を最後まで読んで頂きありがとうございました

編集長
編集長

この話は怖い話を募集する編集部に寄せられた話なんだ。編集部で少しアレンジして皆さんに紹介している

文乃
文乃

男の人が最後に持っていたロープってやっぱりあれの為ですか??最後の一行が??ってなって意味が分かったら異様に怖かったです。

編集長
編集長

今までは更年期は女性特有のものだといわれてきたけど、男性版更年期もあるらしい。精神的に不安定になって怖いことも平気でやっちゃうとか言うな

文乃
文乃

最後まで読んでくださりありがとうございました。

怖い話の感想や怖い話の投稿をお待ちしています。

コメント

  1. バズーカ編集部 より:

    トンネルに消えた男って霊に取り憑かれて精神がやんじゃったの?それとも入れ替わったのか??
    まあ心霊スポット行くときには塩もっていくのを忘れずにって感じか。

  2. 心霊マスターX より:

    まあまかな。実際には幽霊も心霊現象も起こってないってのがいいかも。B君?は勝手にっ精神的におかしくなったのかもしれないんだよな

  3. ふっくん より:

    トンネルの中って、深夜は車で走っていても怖いような思いをすることありますね。C君の水滴のようなものが落ちてしまった、嫌な感じって霊が乗り移ってしまったのでしょうか。一夜の肝試しが大変なことになってしまいました。

  4. 匿名 より:

    実話っぽいですね。主人公は仕事がいやで辛くなってしまったのかな…。Cに呼ばれるまでもなく引き返してほしいと思います。ロープ、トンネルのどこかにかけるところがあるのでしょうか。軽い気持ちで心霊スポットに行くのはやめておいた方がいいと自戒させられます。