紀州釣りの釣り方!誰でも釣れる解説
紀州釣りとは別名でダンゴ釣りとも呼ばれる堤防からクロダイ(チヌ)を狙う釣り。堤防からぽちゃんぽちゃんとダンゴを投げ込む釣り人を見たことがあると思います。
ダンゴに引っ張られて沈んだウキがもう一度顔をだし、次の瞬間に合わせるとビックリするくらい大きなクロダイが釣れている。
ダンゴ釣りはクロダイ(チヌ)を釣るために考案された伝統釣法ですが、非常に理に掛かった釣り方でコツと釣り方さえ覚えれば誰にでもクロダイが釣れます。
この記事では紀州釣りを始めたいビギナーの方向けに紀州釣りの基本から釣り方まで解説しいます。
紀州釣りとフカセ釣りの違い
堤防からクロダイ(チヌ)やメジナを狙う釣りにウキふかせ釣りがあります。ウキふかせ釣りと紀州釣りの違いは魚を釣る深さが違います。フカセ釣りの「フカセ」とは浮かせるという意味でメジナのように海底から中層に浮き上がってエサを食べる魚に対して有効な釣り方です。
フカセ釣りは上からコマセを撒いて魚を浮かせてきて釣る方法です。
一方の紀州釣りはとにかく底狙い一本です。紀州釣りはコマセ配合ダンゴで海底にポイントを作り、海底に魚を寄せて釣ります。底狙いの釣り方は底生生物をエサにしているチヌの生態に合わせた理にかなった釣り方です。
釣る場所が違うので配合コマセの中身も違います。
紀州釣りでクロダイ(チヌ)が釣れる時期
クロダイ(チヌ)は基本的に夏に釣れる魚です。クロダイ(チヌ)の最適水温は13度~23度で5度を下回ると仮死状態になるといわれています。
13度~23度の適水温ならエサを捕食します。一年を通じて釣ることが出来る魚ですが活性が上がり、数が釣れるのは夏から秋です。
春は産卵の乗っ込み期で大型のクロダイ(チヌ)が堤防に接岸してきます。
春 | 夏 | 秋 | 冬 |
乗っ込み期 | 数が釣れる | 一番釣れる | 釣りにくい |
紀州釣りが出来るのは堤防、磯、筏
紀州釣りは身近な堤防から、磯や筏までフィールドを問わずに楽しむことが出来る釣りです。筏でやる紀州釣りは特別に「かかり釣り」とも呼ばれます。
身近な港湾の堤防や波止でクロダイ(チヌ)が釣れるのが紀州釣りの魅力の一つで、車を横付けで釣りができるポイントさえあります。船に乗ったり渡船で渡してもらう必要のない手軽さも釣りビギナーの方に紀州釣りをおススメする一つの理由です。
どこで紀州釣りができるのかは難しいですがエサ屋さんで聞いてみるのが手っ取り早いです。エサ屋さんは情報屋でもあります。
紀州釣りはタナ取りがとても大切
紀州釣りはとにかく底にポイントを作り、コマセ配合ダンゴで小魚を寄せてから、チヌを誘い出す釣りです。海の底にポイントを作るので付けエサも必ず底付近になくてはいけません。海底に魚集まっているのにハリに付いた付けエサが底になければ釣りが成立しません。
紀州釣りにとってタナ取りは一番の肝になります。
タナとりってどうするの?って方向けに詳しく説明します。
タナ取りとは何だ?
紀州釣りのウキ下の状態を大きく分けると3種類にすることが出来ます。付けエサが底を切って宙に浮いている状態を宙切り、海水の水深とウキ下の長さが同じトントン、ウキ下の方が長く底に這っている状態を這わせと言います。
紀州釣りでは基本的にトントンから這わせの状態にします。底を釣る釣法なので付けエサは常に底にある必要があります。
ただし這わせる長さがあまりに長いと魚のアタリにウキが反応しません。目安はトントンから+ハンヒロから1ヒロです。1ヒロは両手を伸ばした腕の長さ分です。
タナを合わせる手順
タナを合わせる方法は固く握ったダンゴを投げ込みウキが沈んだ量をみます。最初はウキ下を短めにして段々と長くしていくのがコツです。ウキが完全に海面に沈んだ状態からウキ止めを調節してトントンまで持って行きます。トントンまで行ったら+でハンヒロから1ヒロ長くします。
宙切りの場合はダンゴが残っている間はウキが沈み込みダンゴが割れたと同時に浮かび上がってきます。付けエサもウキが上下する分だけダンゴから飛び出しいてしまいクロダイ(チヌ)に違和感を与えます。這わせやトントンで釣れない時に中層にチヌが浮いているときには有効な釣り方です。
トントンは水深とウキ下がほぼ同じになった状態でダンゴが着底すると僅かにウキが消し込みます。ダンゴが割れるとウキが浮かんで来たり、ダンゴに引っ張られて固まっていたウキが波にふわふわしてテンションが無くなります。
水深よりもウキ下が長い状態です。ダンゴが割れても付けエサが飛び出さないのでクロダイ(チヌ)に違和感を与えることは少ないといわれています。ダンゴが割れた見極めはウキのテンションやダンゴの重みで止まっていたウキが流され始めるなど変化は微妙です。
紀州釣りのアタリと合わせ
紀州ダンゴ釣りで使うウキは感度の良い棒ウキを使います。棒ウキを使えばチヌが口を使った「前アタリ」を見極めることが出来ます。前アタリはウキを抑え込むようにトップが1メモリとか2メモリだけ沈みます。
前アタリで合わせてはいけません。クロダイ(チヌ)は遅合わせが基本で前アタリを嫉妬我慢しているとウキトップ全体がスパッと消し込む本あたりに繋がります。本あたりが出たらすかさずしっかりと合わせると手元にずっしりとした重みが伝わり至福の一瞬が訪れます。
また紀州釣りには独特なだんごアタリも存在します。ダンゴが割れる前に魚がダンゴをつっついているのです。だんごアタリが出ると魚が集まっている証拠なので期待が持てます。
紀州釣りの仕掛けとアイテム
紀州釣りの仕掛けはシンプルですがこだわると奥が深いです。仕掛けで使うアイテムはタナを合わせるウキ止めと、ウキがライン内を移動するためのウキスイベル、絡み防止やウキロストを防ぐからまん棒、ハリスを結ぶサルカン、ハリス、チヌバリとなります。それぞれを詳しく説明します。
サルカン
サルカンは小さめなものなら特にこだわりはありません。直結する人もいますが仕掛けを絶たせるという意味でオモリの代わりに使っても良いかもしれません。完全にオモリ無し、スイベル無しの完全フカセの仕掛けで紀州釣りをする人もいます。
ライン太さ
ラインの太さは1.5号~2号を使います。ラインが太くなれば太くなるほど風や潮の影響を受けやすくなります。ラインが潮に流されてウキを引っ張ってしまう事もあるので高がラインですが太すぎるラインは釣りの邪魔にしかなりません。ラインのカラーは視認性の良い蛍光カラーだとラインメンディングがしやすいです。
ハリス 長さ
ハリスはフロロカーボンの1.0~1.5号までを使います。感覚的な話ですが1.5号以上のハリスを使うと極端にクロダイ(チヌ)の釣果が落ちるような気がします。クロダイの視力は視細胞の数から割り出すと0.15くらいだといわれていますが、ラインが見えている様に思えます。
ハリスの長さは1.5ヒロから2ヒロ。根ずれやフグにかまれて傷んできたらドンドン切ります。1ヒロより短くなったら新しいハリスと交換します。
オモリとガン玉
紀州釣りでは、ガン玉を打つ人と打たない人に分かれます。紀州釣りはダンゴの重さで仕掛けを飛ばし、ダンゴの重さで仕掛けが馴染みます。なのでオモリの役割はダンゴがすべてカバーしているのです。余分なオモリはクロダイ(チヌ)の違和感になるので付けないという人が多いです。
オモリを打つ場合でも~5B位までにした方が良いです。それ以上大きなオモリを売ってしまうとダンゴとオモリ、オモリとウキと仕掛けが2分されてしまいダンゴが割れた情報がウキに伝わりにくくなってしまいます。
ウキ止め
浮き止めは小さなアイテムですがウキが仕掛けの中を移動する遊動仕掛けの場合は非常に重要なアイテム。ウキ止めがしっかりしていないとタナが甘くなって刺しエサが海底から離れてしまいます。
浮き止めは視認性が良くて柔らかいものを使います。ダンゴが着底した時にウキとウキ止めがしっかり合っているか確認します。ウキスイベルの滑りが悪かったり引っ掛かりがあるとウキと浮き止めの間が離れてしまいタナがズレていることがあります。
紀州釣りではウキが超大切!
紀州釣りに使うウキは概ね3種類。棒ウキと寝ウキと玉ウキです。最も多く使われているのが棒ウキで感度が良く、クロダイ(チヌ)のアタリやダンゴの状態を的確に釣り人に伝えてくれます。
自立棒ウキ
棒ウキの中になまりが内蔵されガン玉を打たなくても棒ウキが立つタイプです。自立型を使うと完全フカセのオモリなしの紀州釣りができます。注意したいのが遠投用の棒ウキは内蔵されたオモリが大きくてダンゴが空中分解する原因になります。
おススメの自立棒ウキ
ダイワ DAIWA ウキ センサー発泡ダンゴ2 846684(SLIM)
非自立型棒ウキ
非自立ウキはウキ自体では立つことが出来ずに横に寝てしまうウキです。ウキを立たせるには対応したオモリを打つ必要があります。オモリの大きさがウキの号数です。対応する適切なオモリはウキの本体に3Bとか5Bとか1号とか号数が書いてあります。
紀州釣りで使う非自立型のおもりは2B~5B位の号数です。潮の流れが早くて仕掛けが浮いてしまって刺し餌が海底から離れてしまうとクロダイ(チヌ)は釣れません。そんな時にガン玉で押さえつけると刺し餌を海底に固定できます。
1号とか2号のオモリを打たなくてはいけない号数のウキはっ紀州釣りでは使いません。深いタナを攻める時でも0.5号くらいまでです。でかいオモリを付けるとウキの反応が悪くなるばかりか、投げた途端にダンゴが空中で爆発します。どかんっ(笑)
おススメの非自立型棒ウキ
【KIZAKURA/キザクラ】黒魂Joker うき 棒ウキ KURODAMA 自立ウキ
寝ウキ
紀州釣りで根強い人気があるのが寝ウキです。寝ウキはその名前の通り海面にペタッと寝ているウキです。魚がエサに喰いつき下から引っ張るとそれに合わせてウキが立ちます。ウキが立ったら合わせるタイミングです。
紀州釣りで寝ウキが人気なのはタナ取りが必要ないからです。寝ウキはウキ止めを使用せずに仕掛けの中を完全にフリーの状態で移動します。
それで本当に魚のアタリは取れるの?と思いますがアタリはしっかり出ます。竿先から出たラインは寝ウキまで海面を這って行くきます。寝ウキの丸カンに到着すると折れ曲がって海中へと入ります。この寝ウキの丸環部分で折れ曲がった抵抗力で浮き止めがなくても魚のアタリを寝ウキはしっかり見せてくれます。
おススメの寝ウキ
【KIZAKURA/キザクラ】キザクラ寝ウキ 5型 喰いしぶり対応
紀州釣り電気ウキ
紀州釣りは夜でも出来ます。クロダイ(チヌ)は夜行性の魚ではありませんが夜でも良く釣れます。夜の紀州釣りで活躍するのが電気ウキ。電気ウキも棒ウキと同じで出来るだけ小さい号数のウキを使います。
電気ウキは光る部分が1か所のものと複数のものがあります。5灯電気ウキを使うとメモリが光って見えるので昼間と同じようにアタリをみることが出来ます。
おすすめの電気ウキ
3色5/6点灯 電気ウキ ナイターウキ
紀州釣りのコマセ配合ダンゴ
紀州釣りのなんといっても肝となるのがコマセ配合ダンゴです。ダンゴの素材は各メーカーからたくさん出ているので、それらを使ってもらえたら手軽に簡単にできます。
おススメのコマセ配合餌
マルキュー チヌの道:定価580円
紀州釣りのオリジナルダンゴの配合例
でもコマセ団子は紀州釣りをやっていると色々と自分で配合を調整したくなります。もっと集魚効果を高めたい!もっと割れやすいダンゴにしたい!などなど。オリジナルで配合すりダンゴのレシピを簡単位紹介してみます。
オリジナル配合ダンゴに必要な材料
- ベース:米ぬか
- 沈める:川砂
- 集魚 :サナギ
- 集魚 :アミエビ
- 足止め:コーン
- 足止め:麦
基本的な材料は上記の6種類です。市販の配合餌を使わないオリジナルブレンドのコマセ団子が完成です。
配合比率
- 米ぬか :5(3000cc)
- 川砂 :1(600cc)
- サナギ :1(600cc)
- アミエビ:1ブロック(小)
- コーン、麦、180cc(適量)
サナギは乾燥サナギの粗びき細引きを使います。乾燥サナギの場合は使用する前に海水やアミエビの汁で戻しておくと集魚効果が高まります。激あらという冷凍の生のサナギもあります。激あらなら大きなサナギとコーンが入っているので、サナギやコーンを付けエサにしてエサのローテーションが可能です。
その他の変わった集魚効果のあるコマセは、ニンニクや、玉ねぎがチヌを寄せるといわれています。紀州釣りに慣れてきたら是非試してください。
握り方
コマセ配合ダンゴの握り方は10回~30回くらいで決まった回数はりません。その日のダンゴの状態や潮の状態によってコントロールします。握る回数を少なくしてダンゴを小さくすれば早く割れます。逆に握り込めばしっかりと着底してからも居座っています。
コマセ団子を遠投する
堤防から紀釣りをするときは最低でも5m位は投げなくてはいけません。何故かというと堤防の目の前は敷石と言われる岩が沈めてあるので、岩が切れたフラットな砂地までダンゴを投げた方がチヌを寄せやすいからです。
5m位なら手でも投げ込めます。それ以上遠くまで遠投したい時は紀州釣り専用の杓を使うといいです。簡単に遠投が出来ます。フカセ用の杓より柄の部分が太くしっかりしていて、カップが大きいです。
おススメの杓
第一精工/紀州ダンゴ杓【RCP】
紀州釣りのエサ
紀州釣りで使う付けエサは基本はオキアミです。オキアミは堤防の万能エサでクロダイ(チヌ)も大好物です。でもオキアミが好きなのはクロダイ(チヌ)だけではなく、フグもアジもサバもみんな大好き。
オキアミだけではエサ取りに囲まれて釣りにくい時があります。そんな時はエサのローテーションが必要になります。
紀州釣りに使うエサ
- 生オキアミ
- ボイルオキアミ
- サナギ
- コーン
- 練り餌
だいたい5つのエサを用意しておけばどんな状態にも対応することが出来ます。先ずは生オキアミでスタート。紀州釣り師やフカセ釣り師が連日コマセを撒いているポイントなら一投目からクロダイ(チヌ)がかかってくることもあります。
エサ取りが多くてスグにエサが無くなる場合は、ボイルオキアミ➡サナギ➡コーン➡練り餌という順番で試してみます。
紀州釣りで使う竿(ロッド)
紀州釣りで使う竿は5.4mの磯竿で1号前後がおススメです。柔らかな竿は扱いが難しいと思い込んで敬遠しがちですが、1号前後の柔らかな磯竿でクロダイ(チヌ)と対峙すると本当に面白い。
それに出来るだけ細い道糸のラインとハリスをセットしているのでロッド(竿)の柔らかさはラインブレイクやバラしにくさに直結します。
紀州釣りおススメのロッド(竿)
宇崎日新 磯竿 プロスペックイソ 0.8号-5.3m 釣り竿 海釣り NISSIN Made in Japan
インターラインが扱いやす
風が吹いたときなど竿先でラインがガイドに絡まるトラブルが頻発することがあります。ラインが絡まったままダンゴを投げると空中でドカンッと爆発です(;´・ω・)
だんごの空中分解をづセグ為におススメなのがインターライナーの竿。ラインが竿の中を通っているのでガイドに絡まるトラブルはありません
インターライナーのおすすめの竿
ダイワ インターライン リーガル 1.5号-53 (磯竿)
紀州釣りのおすすめリール
リールは2500番前後のスピニングリールを使います。ドラグを調整して大チヌと対峙するパターンとレバーブレーキで自分の指で直接調節する方法に分かれます。面白いのは断然レバーブレーキ。堤防は磯と違いラインが切れる心配は少ないですが、突然の突っ込みに対応するにもレバーブレーキがあると安心です。
紀州釣りでおすすめのリール
ダイワ 19 シグナス 2500H-LBD【送料無料】(LB レバーブレーキ LBブレーキ)
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