ヘチ釣りとは?クロダイ(チヌ)を釣る方法
堤防の際(キワ)に仕掛を落とし込んで海中からチヌを引きずり出すヘチ釣り。堤防の上を静かに攻め歩く姿は獲物を追うハンターのようでとってもかっこいいです。
ひとたびチヌが掛かれば静から動へ一転。チヌとのバトル開始です。大きく竿がしなり海底に向かって走るチヌを押さえつけてコントロール。
やがて海面を割って表す黒光りした魚体は40センチアップも珍しくありません。俺も釣りたい!釣り上げられた大きなチヌを見て興奮を覚えた方も多いと思います。
でも実際に自分でヘチ釣りを初めて見ると、思ったように釣果が出ない!全然チヌが釣れない!という壁に当たって悩んでいる方も多いでしょう。
そこで、このページでは堤防の際(キワ)でチヌを狙う「へチ釣り」に焦点を当て、堤防にエサを捕食しに来たチヌを釣り上げるコツをまとめました。チヌを釣りたい、ヘチ釣りを始めたけど釣れない、そんな方は是非参考にしてください。
堤防付近のチヌは腹ペコ!?
ヘチ釣りは堤防に寄ってきたチヌを専門に狙う釣りです。どうしてチヌが堤防の岸壁付近に寄ってくるのかといえば「食事」が大きな理由の一つ。チヌは岸壁に住んでいる貝やカニやエビを食べに近づいて来ています。岸壁付近にはチヌの好物であるカニや、貝や、エビがたくさんいるのです。
釣り用語では「時合」といって良く魚が釣れる時間があります。まさに堤防の「ヘチ」に寄ってきたクロダイ(チヌ)は、腹ペコで口を使う気が満々、釣りやすい状態にいる可能性が高いです。腹ペコ状態の魚を狙う釣りだからこそビギナーの方でもチヌが釣りやすいのです。
ヘチ釣り最大のコツは、針の付いたエサをチヌが食べやすいように目の前に落としてやる!コレが肝になります。
徹底的にスレスレを狙う!壁際に落とせばチヌが食う
ヘチ釣りで釣果を上げるポイントの一つに「岸壁ぎりぎりに仕掛けを落とす」ことが上げられます。チヌが狙うエサは岸壁に引っ付いているカニや貝やエビ。
針に付けたエサを如何に自然な状態でチヌの目の前に落とせるかが釣果の分かれ目です。
チヌは落ちてくるエサが壁から離れれば離れるほど、違和感を感じ食い付かなくなります。ベテランのヘチ釣り師の多くが「岸壁から20センチ以内」を狙っています。ラインが壁をこするギリギリを狙う感じです。
驚くほど軽い!ヘチ釣りのオモリは3B以下を使う
ヘチ釣りは自然にエサが岸壁から落ちていく様を演出します。あたかも壁からイガイがポロリと剥がれ落ち、ゆらゆらと波に揉まれながら沈下してゆく感じです。
だからオモリは基本的に3B以下を使用します。オモリを全く使わない釣り師もいます。チヌからのコンタクトである「アタリ」が取れる、最も軽いオモリを使うのが基本です。
ただし潮の状況によっては仕掛けが馴染まない(沈んでいかない)場合もあります。また風の影響でラインがフケてしまうこともあります。そんなときは2Bのガン玉2個打ちでラインを張ったり、狙ったタナヘしっかりエサを届けられるように5Bクラスまでサイズを上げることもあります。
最初は軽すぎてラインのコントロールが難しいかもしれませんが、出来るだけ軽いオモリを使うのがヘチ釣りでチヌに口を使わせるコツです。
ガンガン合わせて本命のあたりを掴む
ヘチ釣りでは、明確にラインが消し込むような強いアタリは非常に少ないです。沈んでいたラインが止まったり、不自然に横へ動いたり、僅かな変化しか起こりません。
オモリをコントロールしてラインを張っている状態なら竿先に変化をか感じることも出来ます。しかし竿先に起こる変化もほんの僅かです。
ヘチ釣りは合わせが難しい
このアタリの読み難さもヘチ釣りの醍醐味の一つです。如何にチヌがエサをついばむ小さなアタリを見逃さないか。見事にアタリをキャッチして、竿先でヒュッと合わせた瞬間に手元にグンッと重さを感じたら至福の瞬間です。
ゴンゴンゴンッと海底に向かって走るチヌ独特の感触を味わうとキターッた思わず叫び声を上げたくなることでしょう。
ビギナーの方は違和感を感じたら積極的に合わせていくことをおすすめします。スカッとした外れが多いですがチヌが掛かったときにコレか!っと体感が出来るはずです。
チヌは岸壁に付いているエサが好き!
ヘチ釣りに使うエサは岸壁に付いているものがベストです。最も実績が高いのがイガイ(カラス貝)とカニです。イガイだけ、カニだけしか使わなベテランもいます。カニはエサ屋さんで売っているので入手するのも楽です。
また自分で採取すればエサ代がタダで釣りができるという効果もあります。カニの大きさは、親指のツメくらいの甲羅サイズかベストです。
クロダイ(チヌ)のヘチ釣り「イガイ、フジツボ」
ヘチ釣りのエサはイガイやフジツボがいいと言います。岸壁に付いているエサを食べに来た魚を釣るのがヘチ釣りなのでイガイやフジツボは実に理にかなったエサです。しかしビギナーには取得しにくいエサです。そこで最初に使いやすいエサを紹介します。
最初に使うといいエサは青イソメとオキアミです。
青イソメは海釣りの万能餌でクロダイ(チヌ)だけではなくどんな魚でも釣れるスペシャルフードです。青イソメがヌルヌルして苦手な人はオキアミもいいです。クロダイ(チヌ)を狙うウキふかせで使う付けエサはオキアミが定番。
クロダイ(チヌ)が大好きなエサです。青イソメもオキアミもエサ屋さんに必ずストックがあるエサです。
へち釣りのロッド(竿)と長さおすすめ
ヘチ釣りは専用の竿がメーカーから販売されています。ヘチ釣りの当たりの取り方は大きく分けて二つ。竿先で当たりを取るかラインで当たりを取るかです。
竿先で当たりを取る場合は専用の竿先が非常に柔らかい(本当に凄く柔らかい)竿を使います。仕掛けが綺麗に馴染んで立っているとクロダイ(チヌ)がエサに触っている微かな当たりも竿先が伝えてくれます。
長さは240~270が定番。あまり長すぎると扱いにくいですし、短すぎても影が海面に落ちてしまい良くないです。
ラインで当たりを取る場合は専用の竿じゃなくても釣ることが出来ます。リールの先でラインを手で握ってゆっくり落としていけば道糸(ライン)の動きが直接手に伝わってきます。
また海面にラインを余分に出して遊ばせておくことで、遊んでいる道糸(ライン)の動きで当たりを取れます。
こちらの竿はプロマリンのヘチ竿。プロマリンはコスパの良さでは定評があります。竿の性能としてはまあまあですが、無名の中国製の竿と比較したら全然違います。コストを考えたらかなり使えるヘチ竿(ロッド)です。楽天価格で5000円強です。
こちらのヘチ竿はがまかつのヘチ次郎です。シマノ、ダイワと有名なメーカーはありますががまかつのロッドは根本的に何かが違う。何が違うのだろうか?とにかくがまかつの竿は高いけれどしっくりくる。本当に素晴らしいロッド(竿)です。
ヘチ釣りロッド(竿)の代用
ヘチ釣りロッド(竿)は専用の竿を使わなくても代用のロッド(竿)でも釣りが成立します。例えばシーバスロッドやバスフィッシングのロッド(竿)でもちょい投げ用の竿でも代用可能です!
どんな竿でもよくてエサが青イソメなら誰でも始められますよね(笑)これで本当に釣れるのか?
どんな竿でも結構釣れます(笑)
竿先で小さなあたりを捉えることは難しいですが、しっかりエサに喰いついて反転してひったくるようにクロダイ(チヌ)が動けば竿先にしっかりと反応がきます。難しく考えないで最初は手元にある竿を代用してヘチ釣りを楽しんでみてください。
ヘチ釣りには専門のリールが面白い
ヘチ釣りに使うリールは太鼓リールという専門のリールを使います。3B程度のオモリを付けた仕掛けをスルスルと海中へ落とし込んでいくヘチ釣り。本格的にやるならスピニングリールやベイトリールは不向きです。
太鼓リールには高回転のベアリングが内蔵されています。ラインを巻くスプールの部分はフリーで回転する仕組みで常に指先で押さえ(サミング)ておきます。
ヘチ釣りのリールは太鼓リール!サミングが面白い
サミングしていた指を離すとスプールが自然にスルスルと回転しラインが放出します。ラインの放出を止めるには、もう一度スプールを指先でサミングします。
ギア比は1:1で一般のリールのような高速ギアは組み込まれていません。ハンドルを1回転させるとスプールも1回転し十数㎝だけ巻き上げます。
指先でサミングしながらゆっくりと仕掛けを沈めていく。そして太鼓リールのハンドルを少し回して糸ふけをとる。ヘチ釣りのラインメイキングは非常に繊細で奥が深いです。
ヘチ釣りをする釣り人の多くが太鼓リールを使います。太鼓リールに慣れると、使いやすくて本当に面白い!もう手放すことができないアイテムになります。
ヘチ釣りを本格的に始めるなら是非太鼓リールを購入することをおすすめします。
もちろん最初はスピニングリールでもベイトリールでも大丈夫!バス釣りのセットをそのまま堤防にもっていけばヘチ釣り可能です!
上の商品はプロマリンのバトルフィールドという太鼓リール。このリールはめちゃくちゃよく回ります♪太鼓リールは回転の良し悪しが釣り心地を左右する大きなファクター!バトルフィールドは5000円くらいで買えるんですがとにかく気持ちよく回ってくれます。へちリールの最初の一代目には超おススメ!
ヘチ釣りのライン太さとハリス
ヘチ釣りのラインは視認性が良いカラーラインがいいです。特にこれからヘチ釣りでクロダイ(チヌ)を釣りたい人はライントラブルを防止するためにもカラーラインがおすすめです。おススメのカラーは蛍光色のオレンジやブルーやグリーン。筆者のおススメはイエローです。
ハリスは透明のフロロカーボン。道糸(ライン)とは反対に必ず透明でクロダイ(チヌ)に見切られない細いハリスを使います。
- ライン:2号前後の視認性の良い道糸
- ハリス:1.5号以下の細いフロロカーボン
上の商品は磯用のイエロー蛍光ライン。シンキングタイプで磯用だけれどヘチ釣りにこそ向いているラインだと確信してます♪
ヘチ釣り道糸の太さと視認性
ラインは1.5号~2号前後の太さでハリスは1.5号以下を使います。太すぎるラインを使うと風でふけってあたりが取れなくなるばかりか、仕掛けが沈まないこともあります。
無風でも潮の流れを受けやすいので太すぎる道糸(ライン)はおススメできません。
道糸は細かく言うとフロート(浮く)素材と、シンク(沈む)素材があります。一般的な者はフロートタイプで一切オモリを打たないと道糸(ライン)は海面に浮かびます。
これからヘチ釣りを始める方はシンキングタイプの沈む道糸(ライン)を巻くと良いです。オモリが小さくてもナチュラルに沈み道糸(ライン)が馴染みやすく仕掛けが立ちます。
ヘチ釣りのハリス
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ハリスが1.5号を越えるとクロダイ(チヌ)の食いが悪くなります。クロダイ(チヌ)の視覚について調査した論文もありますが、それによるとクロダイ(チヌ)の視力は0.14です。
クロダイ(チヌ)の視神経と細胞の数を人間で比較した推定値。人間の視力の0.14を基準に考えると0.14の人が細いハリスを見切ることは不可能だと思われます。
しかしくクロダイ(チヌ)は太いハリスを確実に見切ります!視細胞だけではない特別な見方で魚は水中で物を見ているのだといわれています。
ヘチ釣りで釣れる魚はクロダイ(チヌ)からロックフィッシュまで
ヘチ釣りのエサは色々ありますがオキアミを使うとクロダイ(チヌ)だけではなくいろいろな魚が釣れてきます。食べておいしいアジも堤防のすぐ目の前にやってくることがあります。
堤防の真下はテトラやゴロタ石が沈めてあることがほとんど。海底までエサを沈めると思わぬ大物のロックフィッシュが掛かってくることもあります。
ヘチ釣りが釣りやすい季節!
ヘチ釣りは真冬はシーズンオフになることが多いです。水温が下がると活性が下がる魚が多いです。ヘチ釣りのメインターゲットのクロダイ(チヌ)も水温が下がると深場に落ちていきます。
ヘチ釣りが楽しいのは春から晩秋まで。特に夏から秋にかけては魚の活性が高く、堤防周りにもカニやエビの甲殻類から虫系まで魚のエサが豊富です。エサが豊富なら魚が寄ってくるのが自然の摂理です。これからヘチ釣りをj始めようという人はぜひ夏の太陽の下でヘチ釣りに挑戦してみてください。
今週末は堤防で最初のチヌを釣り上げよう
ヘチ釣りの基本を説明しました。チヌは警戒心が強く釣りにくいターゲットです。しかし、コツを覚えれば確実に釣れる魚でもあります。ヘチ釣りは最初にチヌを釣り上げるには最適な方法で、ビギナーの方にも釣れるチャンスがあります。
是非今週末は堤防に出かけてみませんか?大きなチヌが釣れるチャンスかもしれません。
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