意味が分かると怖い話35:【誘拐】
「娘を誘拐した!今すぐ一億円を用意しろ!さもなければ娘がどうなっても知らないぞ」
誘拐犯から電話が掛かってきたのは昨晩だった。
電話を受けた私と妻はあわてた。
とりあえず警察に電話をする。
直ぐに警察はやってきて自宅の電話に逆探知器がセットされ次の犯人からの接触を待った。
「娘さんはどんな感じのお嬢さんですか?」
警察官に聞かれた。
「恥ずかしながら、手の付けられない不良娘なんです」
私は答えた。
隣で妻がすすり泣いている。
「不良娘で、毎日毎日遊び歩いていて私たちにも暴力を振るうんです。でも本当はいい子なんです」
妻が涙目で訴える。
「一応聞くのですが変な薬とか売春とかはしてないですよね」
「覚せい剤はやっているかも知れません。注射器を見たことがあります」
「そうですか…」
警察官がため息をつく。
「売春は?」
「それはわかりませんが何人もの男をとっかえひっかえしています。入れ墨の入ったヤクザみたいなのばかりです。私は娘の相手に殴られたこともあります」
「では犯罪歴は?逮捕されたことあります?」
「鑑別所と少年院に入っていたことがあります」
その時犯人から電話が掛かってきた。
「警部!犯人からです」
一瞬にして緊張が走った。
電話から犯人の声が流れてくる。
「金は用意できたんだろうな?」
「すぐに一億なんて無理だ」
私が答える。
「そんな悠長なこと言ってると娘を送り返すぞ」
「それだけは…」
妻が横で泣き叫んだ。
「せっかくいなくなったのに」
意味が分かると怖い話「誘拐」の解説
意味が分かると怖い話の35話です。前半は誘拐の被害にあった可哀そうな家族の話かと思いきや、後半になってストーリーが大転換。最後はドカンとちゃぶ台ひっくり返すような勢いの大逆転劇。思わず笑っちゃいました。
意味が分かると怖い話の解説をします。35話の誘拐については解説ホントにいる?って感じで解説係の私にとっては寂しいお話でございます。
でも姫子さまが言うように思わず笑ってしまいました。
覚せい剤やってるしお父さんを殴る様なヤクザと付き合ってるし、マジでお母さんが言うようにいなくなってくれて良かった感じなんだろうな。
寂しいけど仕方がないな。それが現実だしあんたがやってきたことの積み重ねだもんね
セコムって会社の調べによると日本の年間での誘拐事件(警察で認知している数)は100件から300件の間で推移しているらしい。多い日は1日1件くらいで誘拐事件が起きていることになる。この数が多いのか少ないのかは、受け止める人によって変わってくるんだろうけど、私には少なくとも「怖い数」には感じられる。意味が分かると怖い話でも誘拐事件はたくさん登場して笑いのネタにしているけど、笑い話じゃない深刻な事件に発展していることもある。また日本全国で少女たちが大量に蒸発しているという都市伝説の噂もある。どうやらSNSで誘惑されて・・・という事らしいのだが。
Scary-Story.net編集部:青鬼
コメント
ここで場面が変わるとか無能すぎるだろ